吉田修一『横道世之介』
吉田さんの話は読む終わった後のズシンって感じが好きだったんだけど
この話はそういう話ではありませんでした。
でもなんか読んだ後すーっとするっていうか、温かい気持ちになりました。
石田衣良さん作品を読んだときみたいな気分かな。
今度映画化で世之介の役を高良健吾くんがやるって知っていたので
高良くんを想像しながら読んでいました。
吉高由里子ちゃんが祥子ちゃんの役っていうのはなんか私のイメージに合わなかったので
吉高由里子ちゃんはイメージせずに読みました。
吉高由里子ちゃんは私の中では千春かなぁって感じだったから。
あー、でも読み終わった後の感じが本当良かった。
ズシンを期待していたけど、こういうのも良いね。
世之介以外の登場人物がみんな世之介と出会えたことを喜んでいるんだけど
誰もがきっと誰かの思い出の中にいるんだろうなって思った。
私も高校時代の友人の記憶の中に残っていたらいいなって思った。
そして出会えて良かったと思われていたらいいなって。
以下、ネタバレありです。
最後に世之介が電車にひかれて死んじゃうんだけど、それにはびっくりした。
お母さんが祥子に書いた手紙がなんか本当良かった。
「ダメだ、助けられない」ではなくて、その瞬間、「大丈夫、助けられる」と思ったんだろうって。
この一文を読んで、世之介ならそう考えそうだなぁって思った。
世之介って普通だけどいいやつそうだよね。
私も世之介と友達になりたいと思った。